ジ]
おらがお父《とと》は
おらがお父《とと》はおっ死《ち》んだ。
何《あん》といってええだが、こちゃしらぬ。
うまを六匹くんさんし。サテ、
犁《すき》でもってすけちゅうだ、おえちゅうだよ。
うまを六匹売っとばし、
めうしを一匹、こちゃ買ってな、
一身上《ひとしんしょう》あんべとごきげんだ。サテ、
何《あん》としてええだが、まだしらぬ。
そこでめうしを売っとばし、
ふくらはぎを一本、こちゃ買ってな、
一身上あんべとごきげんだ。サテ、
極上肉を半ぺら、またなくす。
そこでふくらはぎを売っとばし、
めねこを一匹、こちゃ買ってな、
あまっちょのねこめも愛《う》いやつじゃ。サテ、
煙突《けむだし》のすみっこに、ちょんとすわる。
またまたねこめを売っとばし、
はつかねずみを、こちゃ買ってな、
尻尾《しっぽ》つまんで火になげた。サテ、
おらのお家《うち》がぼうともえた。
[#改ページ]
ねこと王さま
さてもこのたび、ねこが王さまに御拝謁《ごはいえつ》、
ごぶじにおさまりゃ、しあわせだ。
[#改ページ]
がァがァ、がちょう
がァ、がァ、がちょう、
うろついてどこいこ、
階上
前へ
次へ
全62ページ中48ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
北原 白秋 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング