に立ち往生して、
おへその上まで水びたり。
それから二度とはようゆかぬ。
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きれいずきのおかみさん
お月さんのおとりもちでお嫁にござった。
きれいずきの、世帯《しょたい》もちの、しまりやのおかみさんだ。
おひるにでもならなきゃなんとしてもおきない。
ほんとにしまるなら、それこそたのむよ。
やっとこさとおきればおもいきってせかせか、
きれいずきの、世帯もちの、しまりやのおかみさんだ。
灰かきで麦っ粉《こ》をやっさもっさこねます。
ほんとにしまるなら、それこそたのむよ。
ながぐつにどろどろどしこんだバタをよ、
きれいずきの、世帯もちの、しまりやのおかみさんだ。
ひっかき棒のかわりにお足でべっちゃべっちゃ。
ほんとにしまるなら、それこそたのむよ。
チイズは台所の物置のおたなに、
きれいずきの、世帯もちの、しまりやのおかみさんだ。
ひとりでにころげるまでうっちゃっちゃってかまわない。
ほんとにしまるなら、それこそたのむよ。
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御婚礼
ぶうん、ぶうん、ぶうぶうぶ。
はえがくまんばちにお嫁いり、
いよいよ教会へいきやして、首尾よく御祝
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