てまいる。
ねこがもうします。
「お天気はどうでしょね」
いぬがもうします。
「さようさ、おくさんえ、雨がふりそでござんすが、
御心配はいりません、てまえがこうもり傘《がさ》もってますでな。
そのときゃごいっしょに、相合傘《あいあいがさ》とはいかがでしょ」
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ポウリイ、やかんを
ポウリイ、やかんをかけときな。
ポウリイ、やかんをかけときな。
ポウリイ、やかんをかけときな。
みんながのむんだ、お茶ァだよ。
スケイ、そいつをおはずしな。
スケイ、そいつをおはずしな。
スケイ、そいつをおはずしな。
みんながもうもう行《い》っちゃうぞ。
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南瓜《パンプキン》ずき
ペエタアさん、ペエタアさん、南瓜《パンプキン》ずき、
女房もってもお守《も》りができず、
南瓜《パンプキン》の殻《から》にと、どしこんで、
やっとこ、ほくほくお守りした。
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ぼう、うぉう、うぉう
ぼう、うぉう、うぉう、
おまえさんどこのいぬ、
わたしゃティンカアさんのいぬですよ、
ぼう、うぉう、うぉう。
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三百屋《さんびゃくや》
トムミイ・ツロットさん、三百屋《さんびゃくや》、
ベッドを売って、
わらの上へごろりよ。
そのわら売って、
草の上へごろりよ。
そしておかみさんに姿見鏡《すがたみ》一つ買《こ》うてくりょ。
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お釘《くぎ》がへれば
お釘《くぎ》がへれば、
蹄鉄《かなぐつ》うせる。
蹄鉄《かなぐつ》へれば、
おうまがうせる。
おうまがへれば、
のりてがうせる。
のりてがへれば、
戦《いくさ》がうせる。
戦《いくさ》がないと、
王さまのお国ゃうせる。
おうまの蹄鉄《かなぐつ》がへったせいでよ。
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二十四人の仕立屋
二十四人の仕立屋が
ででむしころしに、えっさっさ。
めったにしっぽにゃふれまいぞ。
そりゃこそででむしが角《つの》だした、
ちっちぇえカイロうしそっくりだ。
にげにげ、にげなきゃいまにもころされる。
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ででむし角だせ
ででむし、ででむし、角だせや、
お父《とう》さんもお母《かあ》さんもしんでしもうた。
おまえの御兄弟姉妹《ごきょうだい》は裏《うら》ん口《くち》の庭で
パンをおくれェと乞《こ》うている。
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お針みつけたら
お針みつけたら
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