は、
二十と七つのお面《めん》もちでおじゃって、
とっかえ、ひっかえ、ひっかえ、とっかえ、
街《まち》じゅうをやんやとわらわせる。
東へいっちゃひっかぶり、
西へいっちゃひっかぶり、
それでも、どの面がいちばんおすきか、
やっぱり御本人でおいいやれぬ。
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 ししと一角獣《いっかくじゅう》

ししと一角獣《いっかくじゅう》と
ふたりで王位をせりあった。
ししがつよかったで、
街を上下《うえした》おおあばれ、
そこで、白パンやったり、
黒パンやったり、
乾葡萄《プラム》入ケイキやったり、
やっとこすっとこおいだした。
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 くつやさん

くつやさん、おうち。
はい、はい、こんにちは。
おくつのつくろいたのみます。
よしきた。合点《がてん》だ。
こちらに一釘《ひとくぎ》、そちらに一釘、
とんとんとんのとん。
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 きれいなくびまき

ジイニイ、むすびにきとくれよ。
ジイニイ、むすびにきとくれよ。
ジイニイ、むすびにきとくれよ。
  わたしのきれいなくびまきを。

わたしはうしろでむすんでよ。
わたしは前《まァえ》でむすんでよ。
わたしは何度もむすんでよ。
  もうもうわたしはかまやせぬ。
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 何人何びき何ぶくろ

セント・イブへとわしがおまいりするときに、
わしがあったは男ひとりにおかみさんが七人《しちにん》、
そのどのおかみさんもふくろを七つ、
そのどのふくろにもねこめが七つ、
そのどのねこにもこねこが七つ。
セント・イブへとおまいりするのが、
さてさて、何人《なんにん》何《なん》びき何ぶくろ。
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 のむもの

世界が一つのパイなら、
海がすっかりインキなら、
木がまたチイズとパンならば、
おれたちののむものそりゃ、なんだ。
それこそ甲羅《こうら》経《へ》たじじいめでも
頭をかかえてちょいとまいろ。
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 ちびねこ、さんねこ

「ちびねこ、さんねこ、かわいの子、
どこへおまえはいってたの」

「あたいはいってたの、ロンドンに、
おめみえしたのよ、女王さまに」

「ちびねこ、さんねこ、かわいの子、
そこでおまえはなにしたの」

「そうそ、玉座のおいすもと、
ねずみをちょろまかつかまえた」
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 雨もよう

いぬとねことがお友達にあいに、
ちょいと、街《まち》からつれだっ
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