も打つたり。これ見給へ、いくら何だつてこれぢや議論にも何にもなるまいぢやないか。かういふ大家の字がこんな風で、平然として居られてみると、僕のやうな、まあ自由主義といつたやうな奴にも、結論がつきにくいね。
かういふお話がつづくのである。この場合にもこちらの予備が出来てゐず、支那に於《お》けるその方面の大家の名などが幾人も出てくるのであるが、やはりぼんやりとして聞いてゐるといふ有様であつた。それでも露伴的丁寧親切の学風ともいふべきものをそれとなく感じて帰り帰りしたものである。
底本:「斎藤茂吉選集 第十二巻」岩波書店
1982(昭和57)年2月26日第1刷発行
初出:「斎藤茂吉全集 第10巻」岩波書店
1954(昭和29)年1月
入力:しだひろし
校正:門田裕志
2006年10月18日作成
青空文庫作成ファイル:
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