じめて雨雲の気を見たので、家持は雨乞《あまごい》の歌を作った。此はその反歌で、長歌には、「みどり児の乳乞《ちこ》うがごとく、天《あま》つ水仰ぎてぞ待つ、あしひきの山のたをりに、彼《こ》の見ゆる天《あま》の白雲、海神《わたつみ》の沖つ宮辺《みやべ》に、立ち渡りとの曇《ぐも》り合ひて、雨も賜はね」云々とあるものである。「この見ゆる」の「この」は「彼の」、「あの」という意である。「ほびこり」は「はびこり」に同じく、「との曇り」は雲の棚びき曇るである。「心足らひに」は心に満足する程に、思いきりというのに落着く。一首は大きくゆらぐ波動的声調を持ち、また海神にも迫るほどの強さがあって、家持の人麿から学んだ結果は、期せずしてこの辺にあらわれている。
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雪《ゆき》の上《うへ》に照《て》れる月夜《つくよ》に梅《うめ》の花《はな》折《を》りて贈《おく》らむ愛《は》しき児《こ》もがも 〔巻十八・四一三四〕 大伴家持
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天平勝宝元年十二月、大伴家持の作ったもので、越中の雪国にいるから、「雪の上に照れる月夜に」の句が出来るので、こうい
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