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君《きみ》が行《ゆ》く道《みち》の長路《ながて》を繰《く》り畳《たた》ね焼《や》き亡《ほろ》ぼさむ天《あめ》の火《ひ》もがも 〔巻十五・三七二四〕 狭野茅上娘子
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 同じく続く歌で、あなたが、越前の方においでになる遠い路をば、手繰《たぐ》りよせてそれを畳《たた》んで、焼いてしまう天火《てんか》でもあればいい。そうしたならあなたを引き戻《もど》すことが出来ましょう、という程の歌で、強く誇張していうところに女性らしい語気と情味とが存じている。娘子《おとめ》は古歌などをも学んだ形跡があり、文芸にも興味を持つ才女であったらしいから、「天の火もがも」などという語も比較的自然に口より発したのかも知れない。そして、「焼き亡ぼさむ天の火もがも」という句は、これだけを抽出してもなかなか好い句である。天火《てんか》は支那では、劫火《ごうか》などと似て、思いがけぬところに起る火のことを云って居る。史記孝景本記に、「三年正月乙巳天火[#「天火」に白丸傍点]燔[#二]※[#「各+隹」、第3水準1−93−65]陽東宮大殿城室[#一]」とあり、易林に「天火[#「天火」に白丸傍
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