ている。モミヅは其頃|多《た》行四段にも活用し其《それ》をまた波《は》行に活用せしめた。「もみだひにけり」は時間的経過をも含ませている。歌は平凡で取立てていうほどではないが、実際に当って作ったという争われぬ強みがあるので、読後身に沁《し》むのである。
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天離《あまざか》る鄙《ひな》にも月《つき》は照《て》れれども妹《いも》ぞ遠《とほ》くは別《わか》れ来にける 〔巻十五・三六九八〕 新羅使
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前の歌の続きであるが、五日滞在のうちには時雨《しぐれ》も晴れて月の照った夜もあったのであろう。「鄙にも月は照れれども」という句に哀韻があるのは、都の月光という相対的な感じもあり、いつのまにか秋になった感じもあり、都の月光と相愛の妻との関係などもあって、そういう哀韻を伴うのであろうか。此歌とても特に秀歌というものではないが、不思議に心をひくのは、実地の作だからであろう。人麿の歌に、「去年《こぞ》見てし秋の月夜は照らせども相見し妹はいや年さかる」(巻二・二一一)がある。
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竹
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