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伊香保《いかほ》ろのやさかの堰《ゐで》に立《た》つ虹《ぬじ》の顕《あらは》ろまでもさ寝《ね》をさ寝《ね》てば 〔巻十四・三四一四〕 東歌
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「やさかの堰《ゐで》」は八坂という処にあった河水を湛《たた》え止めた堰(いぜき・せき・つつみ)であろう。八坂は今の伊香保温泉の東南に水沢という処がある、其処だろうと云われている。一首の意は、伊香保の八坂の堰《せき》に虹があらわれた(序詞)どうせあらわれるまでは(人に知れるまでは)、お前と一しょにこうして寝ていたいものだ、というのであるが、これも「さ寝をさ寝てば」などと云っても、不潔を感ぜぬのみならず、河の井堰《いぜき》の上に立った虹の写象と共に、一種不思議な快いものを感ぜしめる。虹の歌は万葉集中此一首のみだからなお珍重すべきものである。虹は此歌では、努自《ヌジ》と書いてあるが、能自《ノジ》、禰自《ネジ》、爾自《ニジ》等と変化した。古事記に、「うるはしとさ寝しさ寝てば苅薦《かりごも》の乱れば乱れさ寝しさ寝てば」という歌謡があり、この巻にも、「河上《かはかみ》の根白《ねじろ》高萱《たかがや》あやにあやにさ寝さ寝てこそ
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