際《そのきは》もかなし、別《わかれ》て末に思はむも悲しといふ也」(略解)とあるが、却《かえ》って男の歌として解し易《やす》いようでもある。併しこういうのになると、男でも女でも、その境界を超えたひびきがあり、無論作者がどういう者だろうかなどという個人を絶してしまっている。
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上毛野《かみつけぬ》安蘇《あそ》の真麻《まそ》むら掻《か》き抱《むだ》き寝《ぬ》れど飽《あ》かぬを何《あ》どか吾《あ》がせむ 〔巻十四・三四〇四〕 東歌
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上野国歌。「安蘇」は下野《しもつけ》安蘇郡であろうが、もとは上野《こうずけ》に入っていたと見える。この巻に、「下毛野《しもつけぬ》安素《あそ》の河原よ」(三四二五)とあるのは隣接地で下野にもかかっていたことが分かる。「真麻《まそ》むら」は、真麻《まあさ》の群《むれ》で、それを刈ったものを抱きかかえて運ぶから、「抱《むだ》き」に続く序詞とした。一首の意は、真麻むらの麻の束を抱《だ》きかかえるように(序詞)可哀いお前を抱いて寝たが、飽きるということがない、どうしたらいいのか、というのである。
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