》を今《いま》か今《いま》かと出《い》で見《み》れば沫雪《あわゆき》ふれり庭《には》もほどろに 〔巻十・二三二三〕 作者不詳
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「庭もほどろに」は、「夜を寒み朝戸を開き出で見れば庭もはだらにみ雪降りたり」(巻十・二三一八)とあって、一云、「庭もほどろに雪ぞ降りたる」となって居るから、ハダラニ、ホドロニ同義であろう。既に旅人《たびと》の歌のところで解釈した如く、柔かく消え易いような感じに降ったのをハダラニ、ホドロニというのであって、ただ「薄《うっ》すらと」というのとは違うようである。「ハダレ霜」と熟したのも、消ゆるという感じと関聯している云いあらわしであろう。またハダラニ、ホドロニの例は、単に雪霜の形容であろうが、対手《あいて》を憶《おも》い、慕い、なつかしむような場合に使っているのは注意すべきで、これも消え易いという特色から、おのずから其処に関聯《かんれん》せしめたものであろうか。この一首も、女が男の来るのを、今か今かと思って屡《しばしば》家から出て見る趣であるが、男が来ずに、夜にもなり、庭には、うら悲しいような、消え易いような、柔かい雪が降っている、というので
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