ように取れるが、実はそういう意味でなく、現在大宮人の野遊を見て推量したのだから、「今日は御役人は暇があるのか」ぐらいに解釈すべきところで、奈良朝の太平豊楽を讃美する気持が作歌動機にあるのである。
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春雨《はるさめ》に衣《ころも》は甚《いた》く通《とほ》らめや七日《なぬか》し零《ふ》らば七夜《ななよ》来《こ》じとや 〔巻十・一九一七〕 作者不詳
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これは、女から男にやった歌の趣で、あなたは春雨が降ったので来られなかったと仰しゃるけれど、あのくらいの雨なら、そんなに衣が沾《ぬ》れ通るという程ではございますまい。そういう事なら、若し雨が七日間降りつづいたら、七晩とも御いでにならぬと仰しゃるのでございますか、というのである。女が男に迫る語気まで伝わる歌で、如何にもきびきびと、才気もあっておもしろいものである。こういう肉声をさながら聴き得るようなものは、平安朝になるともう無い。和泉式部《いずみしきぶ》がどうの、小野小町がどうのと云っても、もう間接な機智の歌になってしまって居る。
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