マヂカク指向ヒテ見ユル」(代匠記)ところであったかとおもう。
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落《お》ちたぎち流《なが》るる水《みづ》の磐《いは》に触《ふ》り淀《よど》める淀《よど》に月《つき》の影《かげ》見《み》ゆ 〔巻九・一七一四〕 作者不詳
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芳野宮に行幸あった時の歌だが、その御代も不明だし作者もまた不明である。一首の意は、いきおいよく激《たぎ》って流れて来た水が、一旦巌石に突当って、其処に淵をなしている。その淵に月影が映っている、というので、水面の月光を現に見て居る光景だが、その水面の説明をも加えている。淵の出来ている具合と、激流との関係をも叙しているから、全体が益々《ますます》印象明瞭となった。前半を直線的に云い下したから、「淀める淀」と云って曲線的に緊《し》めている。以前この「淀める淀」という繰返しを気にしたが、或はこれが自然的な技法なのかも知れないし、それから「水の磐に触り」の「の」などもやはり、「の」が最も適切な助詞として受取るべきもののようである。結句もまた落付いていて大家の風格を持ったものである。此歌と一しょにある一首
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