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たまくしげ見諸戸山《みもろとやま》を行《ゆ》きしかば面白《おもしろ》くしていにしへ念《おも》ほゆ 〔巻七・一二四〇〕 作者不詳
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「見諸戸《みもろと》山」は、即ち御室処《みむろと》山の義で、三輪山のことである。「面白し」は、感深いぐらいの意で、万葉では、何怜とも書いて居る。「生《い》ける世に吾《あ》はいまだ見ず言絶《ことた》えて斯く何怜《おもしろ》く縫へる嚢《ふくろ》は」(巻四・七四六)、「ぬばたまの夜わたる月を何怜《おもしろ》み吾が居る袖に露ぞ置きにける」(巻七・一〇八一)、「おもしろき野をばな焼きそ古草《ふるくさ》に新草《にひくさ》まじり生《お》ひは生《お》ふるがに」(巻十四・三四五二)、「おもしろみ我を思へか、さ野《ぬ》つ鳥来鳴き翔《かけ》らふ」(巻十六・三七九一)等の例があり、現代の吾等が普段いう、「面白い」よりも深みがあるのである。そこで、此歌は、三輪山の風景が佳くて神秘的にも感ぜられるので、「いにしへ思ほゆ」即ち、神代の事もおもわれると云ったのである。平賀元義の歌に、「鏡山雪に朝日の照るを見てあな面白と歌ひけるかも」というのがあるが
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