らめ」(巻七・一三六六)は、寄[#(スル)][#レ]鳥[#(ニ)]の譬喩歌《ひゆか》だから、此歌とは違うが、譬喩は譬喩らしくいいところがある。
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宇治川《うぢがは》を船《ふね》渡《わた》せをと喚《よ》ばへども聞《きこ》えざるらし楫《かぢ》の音《と》もせず 〔巻七・一一三八〕 作者不詳
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「山背《やましろ》にて作れる」歌の一首である。「渡せを」の「を」は呼びかける時、命令形に附く助詞で、「よ」に通う。一首は、宇治河の岸に来て、船を渡せと呼ぶけれども、呼ぶのが聞こえないらしい、榜《こ》いで来る櫂《かい》の音がしない、というので、多分夜の景であろうが、宇治の急流を前にして、規模の大きいような、寂しいような変な気持を起させる歌である。これは、「喚ばへども聞《きこ》えざるらし」のところにその主点があるためである。
なお此歌の処に、「宇治河は淀瀬《よどせ》無からし網代人《あじろびと》舟呼ばふ声をちこち聞ゆ」(巻七・一一三五)、「千早人《ちはやびと》宇治川浪を清みかも旅《たび》行《ゆ》く人の立ち難《がて》にする」(同・一一
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