に白丸傍点]」(巻二・一八四)の如く、伺候する意が本だが、転じて様子を伺うこととなった。「大御舟《おほみふね》泊《は》ててさもらふ[#「さもらふ」に白丸傍点]高島の三尾《みを》の勝野《かちぬ》の渚《なぎさ》し思ほゆ」(巻七・一一七一)、「朝なぎに舳《へ》向け榜《こ》がむと、さもらふと[#「さもらふと」に白丸傍点]」(巻二十・四三九八)等の例がある。
 この歌も、※[#「覊」の「馬」に代えて「奇」、第4水準2−88−38]旅《きりょ》の苦しみを念頭に置いているようだが、そういう響はなくて、寧ろ清淡とも謂うべき情調がにじみ出でている。ことに結句の、「浦隠り居り」などは、なかなか落着いた句である。そして読過のすえに眼前に光景の鮮かに浮んで来る特徴は赤人一流のもので、古来赤人を以て叙景歌人の最大なものと称したのも偶然ではないのである。吾等は短歌を広義抒情詩と見立てるから、叙景・抒情をば截然《せつぜん》と区別しないが、総じて赤人のものには、激越性が無く、静かに落着いて、物を観《み》ている点を、後代の吾等は学んでいるのである。

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ますらをと思《お
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