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夕闇《ゆふやみ》は路《みち》たづたづし月《つき》待《ま》ちて行《ゆ》かせ吾背子《わがせこ》その間《ま》にも見《み》む 〔巻四・七〇九〕 大宅女
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 豊前国の娘子|大宅女《おおやけめ》の歌である。この娘子の歌は今一首万葉(巻六・九八四)にある。「道たづたづし」は、不安心だという意になる。「その間にも見む」は、甘くて女らしい句である。此頃になると、感情のあらわし方も細《こまか》く、姿態《しな》も濃《こま》やかになっていたものであろう。良寛の歌に「月読の光を待ちて帰りませ山路は栗のいがの多きに」とあるのは、此辺の歌の影響だが、良寛は主に略解《りゃくげ》で万葉を勉強し、むずかしくない、楽《らく》なものから入っていたものと見える。

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ひさかたの雨《あめ》の降《ふ》る日《ひ》をただ独《ひと》り山辺《やまべ》に居《を》れば欝《いぶ》せかりけり 〔巻四・七六九〕 大伴家持
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 大伴家持が紀女郎《きのいらつめ》に贈ったもので、家持はいまだ整わない新都の久邇《くに》京にいて、平城《な
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