歌に似ている。遊行女婦あたりの口吻だから、東歌の中にはこういう種類のものも交っていることが分かる。
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ここにありて筑紫《つくし》やいづく白雲《しらくも》の棚引《たなび》く山《やま》の方《かた》にしあるらし 〔巻四・五七四〕 大伴旅人
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大伴旅人が大納言になって帰京した。太宰府に残って、観世音寺造営に従っていた沙弥満誓《さみのまんぜい》から「真十鏡《まそかがみ》見飽《みあ》かぬ君に後《おく》れてや旦《あした》夕《ゆふべ》にさびつつ居らむ」(巻四・五七二)等の歌を贈った。それに和《こた》えた歌である。旅人の歌調は太く、余り剽軽《ひょうきん》に物をいえなかったところがあった。讃酒歌《さけをほむるうた》でも、「猿にかも似る」といっても、人を笑わせないところがある。旅人の歌調は、顫《ふるえ》が少いが、家持の歌調よりも太い。
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君《きみ》に恋《こ》ひいたも術《すべ》なみ平山《ならやま》の小松《こまつ》が下《した》に立《た》ち嘆《なげ》くかも 〔巻四・五九三〕 笠女郎
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