ある如く、彼は未だ獨身である。
【歌風】歌風は服部躬治より出でて、後、正岡子規系統に移つたのであるから、同じ新派でも、むしろ萬葉派と看做すべきものである。ただ彼は國文學者であると同時に、民俗學者であるから、歌風も自らその色彩を帶び、人情の機微、人事の複雜を詠ずるを以て得意としてゐる。「昭和職人歌合」の如きは、その特色の一端を示すものであり、又同じ萬葉派でも「古今」「新古今」をも取入れ、複雜な一家の歌調を成してゐる。これ彼が赤彦・千樫・憲吉等以外に、一領域を有してゐる所以である。
【參考】海やまのあひだ附録(自傳)
底本:「齋藤茂吉全集 第三十九卷」岩波書店
1955(昭和30)年11月15日第1刷発行
※これは「日本文學大辭典」新潮社、1934(昭和9)年6月20日発行に、解説として書かれたものです。
入力:高柳典子
校正:多羅尾伴内
2004年2月19日作成
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