れて地に倒れた。パウロも今わたくしが感じたきこえぬ霹靂を聴いたのでもあったのだろう。パウロは眼には何も見ず、ただ復活のイエスの声を聴いた。さてわたくしは気落ちから恢復して何を知ったろう。わたくしは自分の卑小を知って、その素質である凡俗に立返えるのを見た。
詩生活と日常生活の平衡がそこに保たれてゆく。詩生活を日常生活に及ぼしたくないのである。それでよい。ことさらに求めた中庸をわたくしは嫌う。
この書の発刊に至るまでには野田さんをはじめ、編輯員の川上洋典、緒方秀雄両君のたびたびの往来を煩《わずら》わした。ここに厚く謝意を表す。
[#地から5字上げ]昭和二十二年九月、鎌倉にて 有明しるす。
底本:「夢は呼び交す」岩波文庫、岩波書店
1984(昭和59)年4月16日第1刷発行
2000(平成12)年11月8日第2刷発行
底本の親本:「夢は呼び交す」東京出版
1947(昭和22)年11月30日
※巻末には竹盛天雄氏による「注」が付されていましたが、竹盛氏の著作権が継続中のため本文中の注番号も含めて割愛しました。
入力:広橋はやみ
校正:土屋隆
2007年11月27日作成
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