めに私心をふくめる言葉を申さなかつた神人である。

 カムヨゴトなるかな――わたくしはかう獨語して、そして筆を擲つた。筆が卓の上で微かな音をたてる。わたくしの氣分も少しく輕くなつてくるやうである。
[#地から1字上げ](昭和十三年十二月 書物展望社刊)



底本:「明治文學全集 99 明治文學囘顧録集(二)」筑摩書房
   1980(昭和55)年8月20日初版第1刷発行
底本の親本:「飛雲抄」書物展望社
   1938(昭和13)年12月10日初版
入力:広橋はやみ
校正:土屋隆
2005年11月24日作成
青空文庫作成ファイル:
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