なつてポムペイにゐるような思《おも》ひがいたします。これはアメリカばかりでなく、ヨーロッパの博物館《はくぶつかん》にもありますが、古《ふる》い彫刻《ちようこく》などは皆《みな》臺《だい》の上《うへ》に乘《の》せてあつて、ぼたん[#「ぼたん」に傍点]を押《お》せばそれが自由《じゆう》に廻轉《かいてん》するようになつてをりますので、見物人《けんぶつにん》は一《ひと》つ所《ところ》に立《た》つてゐながら、前後左右《ぜんごさゆう》からその品物《しなもの》を見《み》ることの出來《でき》るのは實《じつ》に便利《べんり》な仕掛《しか》けではありませんか。またボストンには、メトロポリタンにも劣《おと》らない程《ほど》の美術館《びじゆつかん》があります。その日本部《につぽんぶ》には日本《につぽん》においてさへ見《み》られないような古《ふる》い美術品《びじゆつひん》もあり、日本《につぽん》の建築《けんちく》や床《とこ》の間《ま》のようなものを作《つく》つて、陳列《ちんれつ》してあるのには感心《かんしん》されます。これらの品《しな》は日本人《につぽんじん》が美術《びじゆつ》の價値《かち》を知《し》らない時代
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