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第三《だいさん》、考古博物館《こうこはくぶつかん》の卷《まき》(下《げ》)

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一、日本先史時代室《につぽんせんしじだいしつ》
  イ、日本《につぽん》の石器時代《せつきじだい》
  ロ、貝塚《かひづか》、墓地《ぼち》などの遺跡《いせき》
  ハ、石器《せつき》と骨角器《こつかくき》
  ニ、土器《どき》と土偶《どぐう》
  ホ、朝鮮《ちようせん》と支那《しな》の石器《せつき》
  ヘ、青銅器《せいどうき》と銅鐸《どうたく》
二、日本原史時代室《につぽんげんしじだいしつ》
  イ、日本《につぽん》の古墳《こふん》
  ロ、埴輪《はにわ》と石人《せきじん》
  ハ、石棺《せきかん》と石室《せきしつ》
  ニ、上古《じようこ》の帝陵《ていりよう》
  ホ、勾玉《まがたま》などの玉類《たまるい》
  ヘ、古《ふる》い鏡《かゞみ》
  ト、刀劒《とうけん》と甲胄《かつちゆう》
  チ、馬具《ばぐ》、土器《どき》その他《た》
  リ、建築《けんちく》、彫刻《ちようこく》、繪畫《かいが》など
  ヌ、古瓦《ふるがはら》と古建築《こけんちく》
三、朝鮮《ちようせん》滿洲《まんしゆう》の古墳室《こふんしつ》
  イ、南朝鮮《みなみちようせん》の古墳《こふん》
  ロ、北朝鮮《きたちようせん》及《およ》び滿洲《まんしゆう》の古墳《こふん》
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博物館《はくぶつかん》
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裝幀・恩地孝四郎
   島田貞彦
口繪・霜島正三郎
※[#「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2−13−28]繪・霜島正三郎
   濱田青陵
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第一、序の卷
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     一、博物館《はくぶつかん》とはどういふ所《ところ》ですか

      (イ) 博物館《はくぶつかん》の種類《しゆるい》

 皆《みな》さんは、博物館《はくぶつかん》といふ所《ところ》を見《み》たことがありますか。博物館《はくぶつかん》にはいろ/\の美《うつく》しいものや珍《めづら》しい品物《しなもの》が竝《なら》べてあります。皆《みな》さんのなかには、博物館《はくぶつかん》に竝《なら》べてあるものは金錢《きんせん》で買《か》ふことの出來《でき》ないといふことが、たゞ三越《みつこし》や大丸《だいまる》などのでぱーとめんと[#「でぱーとめんと」に傍点]・すとあー[#「すとあー」に傍点]と違《ちが》つてゐるところだと思《おも》ふ人《ひと》があるかも知《し》れません。またそれらの店《みせ》よりも面白《おもしろ》いものや綺麗《きれい》な物《もの》が少《すくな》いところだといふ人《ひと》があるかも知《し》れません。しかし博物館《はくぶつかん》とでぱーとめんと[#「でぱーとめんと」に傍点]・すとあー[#「すとあー」に傍点]との違《ちが》ひは、けっしてそのような點《てん》ばかりではないのです。でぱーとめんと[#「でぱーとめんと」に傍点]・すとあー[#「すとあー」に傍点]ではお客《きやく》の眼《め》を惹《ひ》くように、美《うつく》しいものや珍《めづら》しいものを、たいてい、なんの秩序《ちつじよ》もなく竝《なら》べ立《た》てゝありますが、博物館《はくぶつかん》の陳列品《ちんれつひん》は皆《みな》、種類《しゆるい》をわけ順序《じゆんじよ》をつけ、その品物《しなもの》には一々《いち/\》わかるような説明《せつめい》をつけて、それを見《み》て廻《まは》るうちに自然《しぜん》に學問《がくもん》が出來《でき》るようにしてあるのです。それで博物館《はくぶつかん》は品物《しなもの》を買《か》ひに行《ゆ》くところでもなく、また遊《あそ》びに行《ゆ》くところでもありません。皆《みな》さんの學校《がつこう》と同《おな》じように勉強《べんきよう》をしたり、學問《がくもん》をする場所《ばしよ》なのです。もっとも學校《がつこう》と違《ちが》ふところは、博物館《はくぶつかん》には先生《せんせい》がをられません。また時間《じかん》も一時間《いちじかん》づゝきまつて勉強《べんきよう》するようには出來《でき》てをりませんから、誰《たれ》でも博物館《はくぶつかん》に行《い》つた人《ひと》は、自由《じゆう》に勉強《べんきよう》が出來《でき》、時間《じかん》にしばられるといふ窮屈《きゆうくつ》な思《おも》ひはありません。けれども、先生《せんせい》のように親切《しんせつ》に教《をし》へて下《くだ》さる人《ひと》はなく、休《やす》みの時間《じかん》にお友達《ともだち》と面白《おもしろ》く遊《あそ》ぶことが出來《でき》ないから、時《とき》には退屈《たいくつ》することもありませう。
[#「第一圖 東京帝室博物館」のキャプション付きの図(fig18371
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