に半分程喀血いたしました。

 またある日。
 私と信二郎と叔母と春彦とブリッジに夢中になっておりました。兄は病院で病気と戦いながら、母は神様にすべてをお捧げしながら、みんな生きてゆくのです。私も、目的もなく、一々の行動に反省もなく、ただ、せとものに、絵に美をみつけだし、わずかな、あこがれをいだいて生きてゆくのです。
[#地から1字上げ]〈昭和二十五年十一月一日〉



底本:「久坂葉子作品集 女」六興出版
   1978(昭和53)年12月31日初版発行
   1981(昭和56)年6月30日6刷発行
入力:kompass
校正:松永正敏
2005年5月27日作成
青空文庫作成ファイル:
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