たが、阿英は承知しながらいかなかった。
ある夜玉が他出した。※[#「王+玉」、第3水準1−87−90]は阿英がきっと来るだろうと思って、そっと匿れて待っていた。間もなく阿英が来た。※[#「王+玉」、第3水準1−87−90]は飛びだしていって立ち塞がり、自分の室へ伴れていった。阿英がいった。
「私は、もうあなたとは縁がつきております、強いて合うと、天に忌《にく》まれます。すこし余裕をこしらえて、時どき会おうではありませんか。」
※[#「王+玉」、第3水準1−87−90]は聴かないで阿英を自分の室に泊めた。夜が明けてから阿英は嫂の所へいった。嫂は不審がった。阿英は笑っていった。
「中途で悪漢に劫《おびや》かされたものですから、嫂さんにお侍たせしました。」
阿英は二言三言いってから帰っていった。嫂はそのままそこにいたところで、一疋《いっぴき》の大きな猫が鸚鵡をくわえて室の前を通っていった。嫂はびっくりした。嫂はこれはどうしても阿英だろうと思った。その時嫂は髪をかいてた。嫂は手をとめて急に人を呼んだ。家の内の者が皆大騒ぎをして猫を追いまわして、やっと鸚鵡をとりかえした。鸚鵡は左の翼に血が
前へ
次へ
全17ページ中16ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
蒲 松齢 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング