るの」
「ぼくたちはけさ初《はじ》めてパリへ来たんです」
「へえ、あなたがたは、とまる所がなければ、まあこのうちへおいでなさいな。じゅうぶんお世話もするし、正直なうちですよ。そのおまえさんのおうちの人も、バルブレンさんから返事の来るのを待ちかねなすったら、きっとこのうちへ聞きに来るでしょう。そうすればおまえさんを見つけるはずだ。わたしの言うのはおまえさんのためですよ。お友だちはいくつになんなさる」
「ぼくよりすこし小さいんです」
「まあ、考えてごらん。子どもが二人で、パリの町にうろうろしていたら、ろくなことはありはしないよ」
オテル・デュ・カンタルは、わたしもおよそ知っている限《かぎ》りでいちばんきたならしい宿屋《やどや》の一つであった。わたしはかなりきたない宿屋《やどや》をいくつか見ていた。
でもこのばあさんの言ってくれることは考え直す値打《ねう》ちがあった。それにわたしたちは好《す》ききらいをしてはいられなかった。わたしはまだりっぱなパリ風のやしきに住んでいる自分の家族を見つけなかった。なるほどこうなると道みち集められるだけの金を集めておきたい、とマチアの言ったのはもっともであ
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