んを拾ったときりっぱな着物をおまえさんが着ていたというから、おまえさんので両親はきっとお金持ちにちがいないと思うのだよ。それからジェロームはパリへ行って来ると言ってね」とかの女は続《つづ》けた。「おまえさんをやとい入れた音楽師《おんがくし》を訪《たず》ねるためにね。あの音楽師がおまえさんを連《つ》れて行ったときの話では、ルールシーヌ街《まち》のガロフォリという男にあてて手紙をやれば着くと言っていたそうだよ」
「それで、バルブレンさんが出かけてから、なにか便《たよ》りがありましたか」とわたしはたずねた。
「いいえ、ひと言も」とかの女は言った。「わたしはあの人が町のどこに住んでいるかも知らないよ」
 ちょうどそこへマチアがはいって来た。わたしは興奮《こうふん》しながら、かれに向かって、わたしにうちのあること、両親がわたしを探《さが》していることを話した。かれはわたしのために喜《よろこ》ぶとは言ったが、わたしだけのゆかいと興奮をともに分けて感じているとは見えなかった。


     古い友だちと新しい友だち

 わたしはその晩《ばん》すこししかねむらなかった。バルブレンのおっかあはわたしに、
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