思って、かれの顔を見た。けれどかれはいっこうにまじめな顔をしていた。わたしは木ぎれをじっと見た。
それはうでぐらい長さがあって、両手をならべたくらいはばがあった。そのうえには字も絵も書いてはなかった。
わたしはからかわれるような気がした。
「あすこの木のかげへ行って休んでからにしよう。そこでどういうふうにわたしがこれを使って、本を読むことを教えるか、話してあげよう」と親方は言って、わたしのびっくりしたような顔を笑《わら》いながら見た。
わたしたちは木のかげへ来ると、背嚢《はいのう》を地べたに下ろして、そろそろひなぎくのさいている青草の上にすわった。ジョリクールはくさりを解《と》いてもらったので、さっそく木の上にかけ上がって、くるみを落とすときのように、こちらのえだからあちらのえだをゆすぶってさわいでいた。犬たちはくたびれて回りに丸《まる》くなっていた。
親方はかくしからナイフを出して、いまの板きれの両側《りょうがわ》をけずって、同じ大きさの小板を十二本こしらえた。
「わたしはこの一本一本の板に一つずつの字をほってあげる」とかれはわたしの顔を見ながら言った。わたしはじっとかれから
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