い方を手まねで教えてくれた。しばらくしげしげとながめたあとで、わたしはナプキンで鼻をかんだ。
 そのとき大将《たいしょう》が腹《はら》をかかえて大笑《おおわら》いをした。そうしてカピはわたしのあほうにあきれ返って、四つ足ででんぐり返しを打った。
 わたしはやりそこなったことがわかったので、またナプキンをながめて、それをどうすればいいかと考えていた。
 やがて思いついたことがあって、わたしはそれを丸《まる》く巻《ま》いてネクタイにした。大将《たいしょう》がもっと笑《わら》った。カピがまたでんぐり返しを打った。
 そのうちとうとうがまんがしきれなくなって、大将がわたしをいすから引きずり下ろして、自分が代わりにこしをかけて、わたしのためにならべられている朝飯《あさめし》を食べだした。
 ああ、かれのナプキンをあつかうことのうまいこと。いかにも上品に軍服《ぐんぷく》のボタンの穴《あな》にナプキンをはさんでひざの上に広げた。それからパンをさいて、お酒を飲む優美《ゆうび》なしぐさといったらない。けれどいよいよ食事がすんで、かれが小ようじを言いつけて、器用《きよう》に歯をせせって(つついて)見せたと
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