た》をそびやかしながら、わたしの回りを歩き回っていた。その様子がそれはこっけいなので、だれもふき出さずにはいられなかった。見物がなるほど、このさるはわたしをあほうだと思っているなとなっとくする。そうして見物もやはりわたしをあほうだと思いこんでしまう。
芝居《しばい》がまたいかにもわたしのあほうさの底《そこ》が知れないようにできていた。することなすことにさるはかしこかった。
いろいろとわたしを試験《しけん》をしてみた末《すえ》、大将《たいしょう》はかわいそうになって、とにかく朝飯《あさめし》を食《た》べさせることにする。かれはもう朝飯の仕度のできているテーブルを指さして、わたしにすわれといって合図をした。
「大将の考えでは、この家来にまあなにか食べるものでも食べさしたら、これほどあほうでもなくなるだろうというのですが、さて、どんなものでしょうか」と、ここで親方が口上《こうじょう》をはさんだ。
わたしは小さなテーブルに向かってこしをかけた。テーブルの上には食器《しょっき》がならんで、さらの上にナプキンが置《お》いてあった。このナプキンをわたしはどうすればいいのだろう。
カピがその使
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