いますの?」
「何でも、いいつけられたことをするんだよ。お前はよく気のつく子だから、役に立つように心がけるのなら、ここに置いてあげてもいいと思うのだよ。フランス語もよく出来るのだから、小さい人達のおさらいもしてあげられるだろう。」
「おさらい、させて下さいます? 私、フランス語なら教えられると思いますわ。小さい人達は私を好いて下さるし、私も小さい人達が好きですから。」
「人が好いてくれるなんて、莫迦なことをおいいでない。小さい人達のおさらいをするほか、お前はお使いに行ったり、お台所の手伝いをしたりしなければならないのだよ。私の気に入らないことでもあったら、すぐ逐い出してしまうから、そのつもりでおいで。じゃア、向うへおいで。」
 そういわれても、セエラはまだちょっとの間、ミンチン先生を見つめていました。幼い心の中で、セエラはいろいろのことを考えていたのでした。やっと立ち去ろうとしますと、
「お待ち!」と先生はいいました。「私に、ありがとうございます、という気はないのかい?」
「何のために?」
「私の親切に対してさ。お前に家庭《ホーム》を恵んでやる親切に対してさ。」
 セエラは小さい胸を波
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