派な振舞が出来るかもしれないでしょう。」
今までにもよくそんな事がありましたが、ラヴィニアはセエラに何と答えていいかわかりませんでした。というのは、周囲《まわり》の人達が、何かセエラの方に味方しているようだったからです。少女達は、実をいうと、皆|宮様《プリンセス》が好きだったのです。で、今話に出た宮様《プリンセス》というのは、どんな宮様《プリンセス》なのかそれをもっと詳しく知ろうとして、セエラのそばへ寄り集って来ました。
ラヴィニアはやっと一言、いうべきことを考え出しました。が、それも奇抜なものではありませんでした。
「あああ、じゃア、あなたが玉座に上る時には、私達のこともお忘れにならないでね。」
「忘れるものですか。」
セエラはそれだけいうと、ラヴィニアがジェッシイと腕を組んで出て行くのを、黙って見ていました。
それ以来、セエラを嫉《そね》んでいる少女達は、何か辱しめてやりたい時に限って、セエラを『宮様《プリンセス》』といいました。またセエラの好きな少女達は、セエラへの愛のしるしに、セエラを『宮様《プリンセス》』と呼ぶようになりました。それを聞いたミンチン女史は、生徒の父兄が
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