んさい》の前でしたので、大屋敷の人達は貧しい子供達の話をいろいろ聞いていました。ギイ・クラアレンスは、その日そんな話を読んで涙ぐんだほどでした。で、彼はどうかしてそんな子を見付け、持合せの二十銭銀貨を施したいと思っていたところでした。彼はその二十銭で、貧しい子の一生が救えるものと思っていたのでした。彼が姉につづいて馬車へ乗ろうとした時にも、その銀貨はポケットの中にありました。乗ろうとしてクラアレンスは、ふとセエラが餓えたような眼で自分を見ているのに気づいたのでした。
 セエラが餓えたような眼をしていたのは、この少年に抱きついて接吻《せっぷん》したいからでした。が、少年は、セエラが一日中何にも食べなかったから、そんな眼をしているのだろうと思いました。で、彼はポケットに手を入れ、銀貨を持って、セエラの方へ歩いて行きました。
「可哀そうに。この二十銭を上げるよ。」
 セエラはびっくりしました。が、すぐ、今の自分は、昔自分が馬車に乗るのを見上げていた乞食娘にそっくりだと気づきました。セエラも、よくそうした娘達に銀貨を施してやったものでした。セエラは一度紅くなってから、また真蒼になりました。セエ
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