しい用事や、こみいった伝言《ことづて》なども、安心して頼むことが出来ました。お金を払いにやっても間違いはないし、ちょっとしたお掃除も、器用にやってのけるのでした。
セエラは、今はもう勉強どころではありませんでした。楽しいことは、何も教わりませんでした。忙しい一日がすんでから、古い本を抱えて、人気のない教室へ行って、一人夜学を続けるばかりでした。
「気をつけないと、習ったことまで忘れてしまいそうだわ。これで、何にも知らないとすれば、ベッキイと選ぶところがなくなるわけだわ。でも、私忘れることなんて出来そうもないわ。歴史の勉強なんか、殊にやめられないわ。ヘンリイ八世に六人の妃があったことなんか、忘れられるもんですか。」
セエラの身の上が、こういうように変ると同時に、お友達との関係も妙なものになって来ました。今までは、何か皇族ででもあるかのように尊ばれていたのに、今はもう皆の仲間入りもさせてくれなそうでした。セエラが一日中忙しいので、少女達と話す暇がないのも事実でしたが、同時にミンチン女史が、セエラを生徒達からひきはなそうとしている事実も、セエラは見のがすわけにはいきませんでした。
「あの
前へ
次へ
全250ページ中103ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
バーネット フランシス・ホジソン・エリザ の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング