茶をこぼしてるじゃアないか。」
セエラの仕事は、この様にして始まりました。来る日ごとに用事はふえるばかりでした。フランス語を見てあげるのは、一番楽な仕事でしたが、そのほかお天気の悪い時でもかまわずお使いにやられたり、皆の残為《しのこ》した用事をいいつけられたりしました。料理番や、女中までが、ミンチン女史の真似をして、今まで永いことちやほやされていたこの娘っ子を、いい気持にこき使うのでした。
セエラは、初めの一二ヶ月の間は、素直に働いていれば、こき使う人達の心も、そのうちには柔《やわら》ぐだろうと思っていました。自分は、お慈悲を受けているのではなく、食べるために働いているのだということも、そのうちには解ってくれるだろう、と思っていました。が、やがて彼女も、皆が心を柔げてくれるどころか、素直にすればつけあがるだけだということを、悟らなければなりませんでした。
セエラが、もう少し大人らしくなっていたら、ミンチン女史も、セエラを大きい子達のフランス語の先生にしたでしょうが、何分セエラはまだ子供々々していますので、大きくなるまで、女中代りに使った方が得だと思ったのでした。セエラなら、むずか
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