検べたら、一層真実となる所の真相です。……妹さんは単に仕事がつらい丈で火を附けたのでしょうか。え? 之は可笑しいです。いや、此処に何か秘密が隠れて居そうではないでしょうか。妹さんは力の沢山ある、そして労働をいとわない質の女であったのを私はよく知っています。それが急にナゲヤリな気を出し、仕事をなまけ初めたので、私も実は不思議に思っていたのですが、すると間もなくあんな大事をやってしまったんです。」と薬剤師は声をひそめた。
「何故妹は放火の以前、なまけだしたのでしょう。病気か過労かに依るのでしょうか?」
「其処です。勿論労れているようではあったが、病気とは見えませんでした。此の機会に貴方へ話して置きますが、妹さんは恋――たしかに恋のようなものをしていたと推定せねばなりませんよ。」
「それは過ちでしょう。第一相手になる男がないでしょう。」
「いや、男は意地の汚いものです。そして恐らく女だってね……」
「では妹は懊悩のために、仕事をなまけていたのですね。」
「恐らくそうです。」
「相手は……妹の相手は一体誰なんですか。」
「私は断言しますが……それは院長と、それから次には院長の子息ですよ。」

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