事が出来るようになったのは何と云う厭な廻り合せだろう。
其の初め終りを話すのは私に取って愉快であるが、此の事件を惹き起す為めに、用いられた所の計略は何も私の独創ではない。私は少し許り知り合になった或る男から教示された通りを応用した迄なのである。
私は妹の方を一目見ると、それが姉の方より、遙かに私の慾を吸引するのを知った。それで姉なぞの事は忘れて、妹の方へ夢中になって了った。私は例によってバタバタと行ったり来たりした。生け垣の傍の石も前の女の場合と同じような状態であった。
「生け垣が似ているのは好いとして、おお何故石迄がそこに転がっているのだ!」私は恐怖もし憤怒もした。自然が余り趣向をかえて呉れない事が私の怨恨をかり立てた。
「畜生め! お能の舞台みたいに、何時でも松の樹がありやがる!」
私は石と生け垣の為めに今度の恋愛を尠《すくな》からず破壊された。以前にはこの上もなく懐かしかった其れ等のものが、今ではもううるさいような気がしてならなかったのである。けれど斯んな小さい事を気にするのは未だ恋に慣れぬ男である。何故ならば、郊外なぞに立っている家々は初めから皆双子同志のように似ているの
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