掛りで捕えられたかは私自身にも分らなかったが……
新聞は私を嘲罵した。それで妹が世話になっている病院の院長に迄も私の暗い行為が知れ渡ったのである。其れが又私の仕合せの端緒となったのは何よりも不思議ではないか。刑を済ました私は院長に引取られた。とは云え何も病院内の職務に服さねばならぬ義務を課せられた訳ではなかった。遊んでいる苦しさから逃れるために、私はギブス繃帯掛りの役を与えて貰うように懇請した。それから平和な月日が無為と無事とをもたらしたのである。
あの娘は何うなったかと誰か尋ねて呉れないだろうか。ああ時間程いけないものが又とあろうか。私は口惜しさと悲しさに身を刺された。私が刑を済まして後、あの生け垣を再び訪れた時、娘はもう生きていては呉れなかったのである。聴けば肺病が重くなって急に死へ急いだと云う事であった。そう云えば、私が通いつめた頃も、透きとおるように白い肌がいくらか不健全に見えていたのであった。
あの娘を殺したのは此の私ではなかろうか。又しても暗怪な疑念が私の心に蔽いかぶさった。肺病には興奮や心配や落胆や悲哀が一番悪く影響するのを私は知っていた。私は彼の女を徒らに興奮させ
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