の身内なんだろうと私は思いますね。ええ、それ丈はもう確かなのです。父はそれを貴方に打ち明けたくて、あの骨の壺迄も貴方に示したに相違ありません。」
「では、あの骨は誰れのだと仰言るんですか?」私は疑念で顔を曇らした。
「勿論、あの頭蓋は女性のものですよ。今度の火事で、なくなって了ったが、実に惜しい事をしました。あれは何でも異常に美麗だった女性の骨です。私は三度も取り出して見たけれど、何時も、あの端麗な骨相によって、それが生きていた日の好く均斉のとれた美貌をも思いやる事が出来ました。」
「では、その女性の顔と私の顔とが似ているとでも仰言ったんですか――院長さんが――」
「まず、そんな訳になるでしょう。いや、そうだ。それに違いない。あの女性こそ貴方の母親だったんではないでしょうか。勿論、よくは私にも分らないが……」
「造り事はおよしなさい。それは空想の過剰から来たものに過ぎない。私に云わせれば、斯うです。院長はあの骨が生きていた頃、それを愛していたに相違ない。所が、その女の顔が私と似ていたのに気附いて、妙な追想に耽り、私をも愛着するようになったんです。唯それ丈です。私が紫の室に臥ていた時、そ
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