察してやり、それぞれ適当な取り扱いをしてやるには本統に熟練と愛情とが必要なのでした。
 或る鳥は羽が絹のように美しいのに、唯もう粟と水と丈で満足して居りました。『まあ何うして、味のない水と穀物と丈が、あんなに美しい生命に変るのだろう。』と私は好く思い、嘆息しました。又或る鳥は意地の悪い顔をしているのに、牛乳をかけた御飯でないと食べず、他のは棒の形に固めたスリ餌でないと不満な様子を致しました。『何て贅沢な鳥達だろう。山に居た頃は何うして暮していたの。』と私はフザけて笑った事も御座います。
 斯んなにして十八になる迄、淋しく暮して来た私は、偶然な機会から、本統の父親に見出され、その方へ引き取られる手筈になりました。私は何んなに喜んだでしょう。之から今迄知らなかった愛情の国に住めるのだと思うと心も落ち着きませんでした。移って行った父の家には、もう一羽の紅雀も居ては呉れませんでしたが、その代りに私の実母ではない若い母親が待って居りました。そして小鳥たちを見失って、唯の雀をでも見るのをせめてもの楽しみにして、夫を見送っている私へ向っては、『お前のように小さい生きものを可愛がったり、恋しがったりす
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