ども從ひて潤飾の跡多く北條氏の爲に曲筆をなせし個所少からず
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第二部 建暦前後より延應の前後まで
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此部は追記の個處も曲筆も第一部よりは少し、大事變の場合を除けば他は主として諸家の日記によれる者の如し、全體に於ては一人の編輯の如くなるも、口碑を採用せし點は至つて少く、第一部に比して多く信憑するに足る文暦二年及寛元二年の重出するは第二部の終りと第三部の初と其年代に於て重複する所あるの證左なるべく、第二部も終りに近くに從ひて純粹の日記となる、恐くば第三部の初は第二部の終りの直接史料にあらざるか
第二部の第一部と其編者を異にするは、大事變大儀式等を記述するに當りて、第二部に特有なる熟語[#ここから割り注]例へば濟々焉の如し[#ここで割り注終わり]の用ひらるゝによりて之を推すべし
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第三部 延應前後より終りまで
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此部は北條氏の左右の記せる純粹の日記なり
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 此の如く吾妻鏡は複雜なる構成を有するものなり、若し一貫したる性質のものとする時は寶治二年二月五日の條の
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