飽までも大自然の法則の支配下にあること、『神』は最高最奥の理想的存在であって、神律の実際の行使者は、多くの天使達であること、幸と不幸との岐れ目は、有形無形の自然律を守るか、守らぬかによりて決すること、神霊主義は正しき推理と、正しき実験との所産であるから、永遠に滅びないこと――それ等の重要事項が、なかなか良く説かれて居る。今後人類の指導原理――少くとも具眼有識者の指導原理は、これ以外にある筈がないであろう。
 就中《なかんずく》私がここで敬服措かないのは、『天使』につきての大胆率直なる啓示である。無限絶対の『神』又は『仏』のみを説きて、神意の行使者たる天使の存在を説かない教は、殆《ほとん》ど半身不随症に罹《かか》って居る。無論ここにいう天使は、西洋式の表現法を用いたまでで、日本式でいえば八百万の神々である。くれぐれも読者が名称などに捕えられず、活眼を開いて、この貴重なる一章を味読されんことを切望する。
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      第十一章 審神の要訣

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問『あなた方の所説は、甚《はなは》だ合理的とは考えられるが、千八
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