る者に慰安を与え、探る者に手懸りを与えつつある。現代とても在来の経典を以《もっ》て満足し、更に一歩を進めて真理の追窮《ついきゅう》に当ろうとする、気魄《きはく》のとぼしき者は多いであろう。それ等に対してわれ等は頓着《とんじゃく》せぬ。が、過去の示教《しきょう》に満足し得ず、更に奥へ奥へと智識の渇望を医《いや》せんとする好学の士も、亦《また》決して尠《すくな》くない。われ等は神命によりて、それ等を指導せんとするものである。かくて真理は甲から乙へ、乙から丙へと、次第次第に四方に伝播《でんぱ》し、やがて高山の頂巓《ちょうてん》から、世界に向って呼びかけねばならぬ時代も到着する。見よ、その時、この隠れたる神の児達が、大地の下層より蹶起《けっき》して、自己の体得し、又体験せるところを、堂々と証言するであろう。最初は細き谷川の水も、やがて相合して、爰《ここ》に神の真理の大河となり、洋々として大地を洗い、その不可抗の威力の前には、現在|汝等《なんじら》を悩ます痴愚《ちぐ》も、不信も、罪悪も、虚偽も皆《みな》跡方もなく一掃せられて了《しま》うであろう。
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問『
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