百年に亘《わた》りて、われ等の心胸に浸み込まされた信条の放棄は、非常な重大事である。願くばもっと明確な証左《しょうさ》を御願いしたい。』
[#ここで字下げ終わり]
宗教の真義[#「宗教の真義」に白丸傍点]――友よ、汝の熱心な疑惑は、われ等にとりて、この上もなき福音である。単なるドグマに捕えられず、飽《あく》まで合理的に真理を求めんとする心掛《こころがけ》――それでなければ神慮《しんりょ》には協《かな》わない。われ等は心から、そうした態度を歓迎する。われ等の最も嫌忌《けんき》するのは、そこに何等の批判も考慮もなしに、ただ外面のみを扮装した、似而非《えぜひ》人物の似而非《えぜひ》言論を鵜呑みにせんとする、軽信《けいしん》家の態度である。われ等はかかる軽信《けいしん》家の群に対して、言うべき何物もない。同時にわれ等の手に負えぬは、かの澱《よど》める沼の如き、鈍き、愚かなる心の所有者《もちぬし》である。われ等の千言万語も、遂に彼等の心の表面に、一片の漣波《さざなみ》さえ立たせ得る望みはない……。
さて汝の提出した疑問――われ等としては、これに証明を与えるべく全力を傾けるであろうが、ある地点
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