明交通に関する智識は、次第にわれ等の掌裡《しょうり》に握られて行くであろう。
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問『所謂魔群とは、いかなる種類のものか?』
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神と人との敵[#「神と人との敵」に白丸傍点]――我等の使命に対して、絶えず反抗的態度を執《と》りつつある、有力なる悪霊の集団がそれである。彼等は狡知《こうち》猾才《かっさい》にとめる邪悪霊を首領と仰ぎ、百方手を尽して、われ等の聖業を阻害せんとしつつあるので、その悪戯は極めて巧妙、その行動は甚《はなは》だ敏活、巧みにわれ等の事業を摸倣し、ひたすら迷える者の歓心を買うべくつとめるから、其《その》伝播力、感染力は驚くべく強大である。彼等は神の敵であると同時に人類の敵である。善の敵であると同時に、悪の使徒である。われ等は彼等に対して、永遠の戦を交えつつある。
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問『さまで有力なる魔群の存在することは、意外の感に堪《た》えない。世に悪の存在を否定する論者もあるではなきか?』
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悪霊の存在[#「悪霊の存在」に白丸傍点]――善を捨てて、悪に走
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