たこの惨めな女、この女こそこの世で自分のめぐりあうことの出来た唯一の為合せであることをはじめて悟ったのだった。
しかし女は苦しそうに男に抱かれたまま、一度だけ目を大きく見ひらいて男の顔をいぶかしそうに見つめたぎり、だんだん死顔に変りだしていた。……
底本:「昭和文学全集 第6巻」小学館
1988(昭和63)年6月1日初版第1刷発行
底本の親本:「堀辰雄全集 第2巻」筑摩書房
1977(昭和52)年8月30日初版第1刷発行
初出:「改造」1941(昭和16)年12月号
初収単行本:「曠野」養徳社、1944(昭和19)年9月20日
※底本の親本の筑摩全集版は、養徳社版による。初出情報は、「堀辰雄全集 第2巻」筑摩書房、1977(昭和52)年8月30日、解題による。
入力:kompass
校正:門田裕志
2003年12月29日作成
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