くはなかった――」女はそんな具合に目を赫《かが》やかせながら、ときどき京の方を振り向いていた。
 近江、美濃を過ぎて、幾日かの後には、信濃の守の一行はだんだん木深《こぶか》い信濃路へはいって往った。



底本:「昭和文学全集 第6巻」小学館
   1988(昭和63)年6月1日初版第1刷発行
底本の親本:「堀辰雄全集 第2巻」筑摩書房
   1977(昭和52)年8月30日初版第1刷発行
初出:「文藝春秋」1940(昭和15)年7月号
初収単行本:「晩夏」甲鳥書林、1941(昭和16)年9月20日
※底本の親本の筑摩書房版は、甲鳥書林版による。初出情報は、「堀辰雄全集 第2巻」筑摩書房、1977(昭和52)年8月30日、解題による。
入力:kompass
校正:門田裕志
2003年12月29日作成
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