ォルシュヴィル夫人(前スワン夫人)だとばかり思つてゐた肥つた未亡人は、何んとその娘のジルベルトなのだ! そして其處に集つてゐる人々はみんな「彼等の背後に重たさうに引きずつてゐる年月のためにひよろ長く伸びて」見えるのである。
「再び見出された時」はさう云ふ年をとつた主人公たちの長い、痛ましい描寫のうちに終つてゐる。



底本:「堀辰雄作品集 第五卷」筑摩書房
   1982(昭和57)年9月30日初版第1刷発行
初出:「新潮」
   1933(昭和8)年5月号
※初出時の表題は「プルウスト覚書(三十歳にならうとしてゐる詩人の手記)」、「狐の手套」野田書房(1936(昭和11)年3月20日)収録時「續プルウスト雜記」と改題、「曠野」養徳社(1944(昭和19)年9月20日)収録時「覚書」と改題
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5−86)を、大振りにつくっています。
※底本の注釈以外の星印は、「☆」に代えて入力しました。
入力:tatsuki
校正:染川隆俊
2008年1月19日作成
青空文庫作成ファイル:
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