って、一しょに近所の森の中を散歩したことなど、いまだになんともいえず懐かしい思い出になっています。ついぞそれきり会いませんが、この頃中野君たちも元気のようで大へんよろこんでいます。こんど窪川君の御本の出たお祝いを兼ねて、室生さんをお誘いして、昔の仲間だけで集まるようなささやかな会をこの年の暮にでもひとつしようではありませんか。西沢君や宮本君なんぞがなんだかすぐ其処《そこ》にいるようで、やっぱりいなくって淋しいですけれど。……



底本:「堀辰雄集 新潮日本文学16」新潮社
   1969(昭和44)年11月12日発行
   1992(平成4)年5月20日16刷
※底本の「始め二重山括弧」と「終わり二重山括弧」は、ルビ記号と重複するため、それぞれ「〈」と「〉」に置き換えました。
入力:横尾、近藤
校正:松永正敏
2003年12月12日作成
青空文庫作成ファイル:
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