なければならない。
なぜかというに、私は実体であるということそのことから、たしかに実体の観念が私のうちにあるとはいえ、だからといってそれは、私は有限であるからして、実際に無限であるところの或る実体から出てきたのでなければ、無限なる実体の観念ではなかったであろうから。
また、私は無限なるものを真なる観念によって知覚するのではなく、かえって、あたかも静止や闇を運動や光の否定によって知覚するごとく、単に有限なるものの否定によって知覚する、と思ってはならない。なぜなら反対に、無限なる実体のうちには有限なる実体のうちにおけるよりも多くの実在性があること、また従って無限なるものの知覚は有限なるものの知覚よりも、言い換えると、神の知覚は私自身の知覚よりも、いわばいっそう先なるものとして私のうちにあることを、私は明瞭に理解するからである。というのは、もし私のうちに、それとの比較によって私が私の欠陥を認めるところの何らかいっそう完全なる実有の観念が存しなかったならば、いかにして私は、私を疑うこと、私が欲求すること、言い換えると、或るものが私に欠けていて、私はまったく完全ではないこと、を理解したであろ
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